第4回
「アジサイ」
2019.6.10
みなさんこんにちは!
神奈川県 南足柄市(有)山崎組
エクステリア事業部スマイリーガーデンの花育コラムの時間です。
最近雨の日が多くなってきてそろそろ梅雨入りというニュースも聞こえてくるのでしょうか?
そんな今の時期にぴったりなアジサイを今回は取り上げてみます。
アジサイ
学名 | Hydrangea macrophylla |
英名 | ハイドランジア |
和名 | 紫陽花・七変化 |
科 | アジサイ科 |
属名 | アジサイ属 |
原産国 | 日本・東南アジアの一部 |
アジサイとひとえに言いましても、





西洋アジサイ
本アジサイ・ガクアジサイ・西洋アジサイ・タマアジサイ・つるアジサイ・・・と品種がたくさんあり、新種が続々と毎年出てきているようです。
アジサイの原産国は、日本。
自生しているアジサイはガクアジサイが原種とされています。ハマアジサイとも言われ伊豆半島や面白いことに小笠原諸島の南端の島にも隔離分布していたようです。
名前の由来を調べてみると、諸説あると思いますがアズサアイ『集真藍』がなまってアジサイになったという説が有力だそうです。
(藍色が集まったという意味)

西洋アジサイは、海外に渡り改良された園芸品種です。
その品種改良は当初、フランスを中心に行われて、多くの品種が生まれました。
ヨーロッパでは土壌がアルカリ性寄りのため青いアジサイもピンク系になるようです。
一方、米国に渡った品種たちは一部が鉢物に仕立てられ、戦後に品種改良されたアジサイが日本に伝わり、「西洋アジサイ」や「ハイドランジア」と呼ばれるようになったようです。
「アナベル」が代表的な、アメリカアジサイです。
アジサイは今とても人気があって、母の日や父の日のプレゼント用に最近よく見かけますし、ドライフラワーやプリザーブドフラワーのアジサイは今やハーバリウムやお花のアレンジやリースづくり・スワッグづくりには欠かせないお花となっています。
私も2年くらい前から、会社の置き場に咲くアジサイをドライフラワーにして、ワークショップで使用したりしています。
ところが、昔のアジサイのとらえ方は、花の色が変わるため、移り気・不道徳であると考えられて不人気の花でした。
万葉集に書かれたアジサイの句は二首のみだそう、その後の時代では、安土桃山時代にいくつか絵が書かれるようになりその後の時代も特に人気が出ることもなかったようです。


では、鎌倉のあじさい寺はいつアジサイを植えたのか?昔からあじさいが親しまれていたのではなかったのか?と疑問になりました。
調べてみたところ、とあるお寺では、第2次大戦後に参道に打つ杭が足りないため、比較的お世話のしやすいアジサイが植えられたとのことでした。
(とても簡単に書いています)
古くから親しまれていたのではなく、そういった理由だったこと初めて知りました。

アジサイのメカニズムをご紹介!
ここでアジサイの色のメカニズムを少し紹介します。
七変化という別名を持つアジサイ。
昔から雨の降った日のアジサイは濃く発色している気がしていました。
アジサイの色は、アジサイが持つアントシアニンという色素が関係しています。
土の中のアルミニウムを吸収すると青くなり、吸収されないとピンク色のアジサイになります。
日本の土壌は酸性が多いので青いアジサイが多く、アルカリ性の多い土ではピンクにはならずムラサキのアジサイが咲きます。
そして、白いアジサイは、アントシアニン色素を持たないアジサイです。
酸性の土壌でもアルカリ性の土壌でも白く咲きます。
発色をよくするためには・・・
赤やピンクはアルカリ性は、苦土石灰を土にすき込む ただ雨が多いと酸性に片寄ります。とよいとされています。
土を酸性やアルカリ性に変えて、青いアジサイをピンクにしたい!ということは残念ながらできません。
あくまでも、発色をよくするということで、土を更新します。
庭のアジサイが、今まで青く咲いていたのに、白っぽくなってきた・・・などに有効です。

庭木としてアジサイを植えるのは個人的に大賛成です。
窓辺や玄関先でも、ふとアジサイが目に留まり、季節を感じられる瞬間ができていいなぁと思います。
地植えでも良いですし、鉢植えでも管理でき、寄せ植えにしても素敵です。

育て方
開花時期
6月から7月
花摘み
アジサイは、お花が終わった後も散るという行為がありませんので、咲いた時の状態のまま枯れていきます。
来年の養分を蓄えるために、お花が終わりになったと感じたら剪定します。そのまま秋になると色合いが変わり秋色あじさいとしても楽しめます。
(アジサイの種類にもよります)

剪定
来年の花芽が付きだすのが気温が下がってくる10月頃からなので、お花が終わった、7月中旬くらい遅くても8月いっぱいまでには剪定をします。
剪定せずに伸ばしていくと、どんどん大きくなります。
茎の先に花芽がつくので、花は咲くときに目線より上になってしまいます。次の花へ養分を蓄えさせるためにも、花後は剪定を行った方が良いと考えます。
花から下の2節目、2cmほど上で茎をカットします。その時新芽が脇に出ているかもしれません。
新芽は、来年伸びる茎です。その茎に花芽が付くのは(花が咲くのは)再来年になります。
*アナベルは、春に伸びた新しい枝に花芽をつけるので、3月までに剪定を行えば、枝のどこで切ってもかまいません。
植替え
鉢植え場合は、剪定後に一回り大きな鉢へ植替えもしましょう。
地植えの場合は、根が周り植替えなどは、頻繁には行えません。
5年後、10年度の大きくなることを踏まえて植える場所を決めてください。
切り花
今人気があり、通年アジサイの切り花を見かけます。基本的には4月から7月くらいまでが切り花の出回る時期でしょうか。
その他の時期は、輸入物や比較的高価なアジサイが出回っています。
ピラミッドアジサイやマジカルコーラル、その他アンティークな色が人気です。
切り花を長持ちさせるには、余分な葉を取り、茎を斜めに切り、茎の中の白い綿のようなものを取り除きます。そして深水といって花の首元まで浸かるくらいにバケツにお水を張り、2時間くらいそっと沈めておきます。
水揚げをしにくいアジサイでもこちらの水揚げをお試しください。きっと生き生きしてくるはずです。



アジサイいかがでしたでしょうか?
好きな花を知る。
花を知ることで、お花の見方が変わりますね。今回は書きたいことがたくさんありすぎて本当は半分くらいかけていないです。
それはまた、アジサイのコラムを書く機会に取っておきたいと思います。
色や種類によって違いがあるようです。
青系・・・・・・・「移り気・浮気・冷酷・無情」
赤・ピンク系・・・「元気な女性」
白・・・ ・・・・「寛容」
ガクアジサイ・・・「謙虚」




青系は花ことばとしてはちょっと・・・プレゼントしにくいですが、アジサイ全体を見ると、団らんや家族の結びつきといった意味合いもあるようなので、結婚式にも人気があるようです。
花ことばとしては、矛盾していますが、贈る気持ちが大切なので(笑)
アジサイを是非生活に取り入れて頂きたいです。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。
弊社のスマイリーガーデンで毎月開催しています。
(ワークショップの情報はこちらをご覧ください→ワークショップページへ)
6月ワークショップはアジサイリースです。
アジサイ、リースにしても素敵ですよ!皆さんも試してみてくださいね。

グリーンアドバイザー・花育アドバイザー
山崎 ゆきえ